行政の粗大ごみは回収費用が安いという利点がありますが、回収に関しての手間はどうでしょうか。行政(市・区役所)の対応と粗大ごみ回収業者との比較を「手間」の面に注目して調べてみました。手間がかからずに便利なのはどちらでしょう?
この記事で分かること
行政が回収する粗大ごみの手間
行政が回収する粗大ごみのルールはお住まいになっている自治体によって若干異なりますが、ほとんどの場合は次のような流れで回収してもらいます。
- 回収できる粗大ごみかどうかを市(区)役所のホームページや配布物(広報紙)などで確認する
- 料金を確認して事前に処理券を購入する
- 市区町村の役所に電話(またはインターネット)から回収を申し込む
- 回収当日の朝、8時ごろまでに処理券を貼って、家の前など指定の場所に出しておく
では、それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
回収できる品目かどうかを確認する
各自治体のホームページに粗大ごみとして回収できる物の一覧表を掲載しています。また、各戸に配布される広報紙などにもごみ出しのルールなどが記載されているので、出そうとしているごみが回収可能なものかどうかをよく確認しておきましょう。
大きさもチェック
自治体によって粗大ごみの対象となる物の大きさに若干違いがあります。例えば1辺が30cm以上なら粗大ごみ、それ以下なら不燃ごみなどとなっています。また、一方で1辺が1m80cmを超えると粗大ごみとしては回収できないというルールもあります。
事前に必ず大きさを測っておきましょう。
料金を確認して処理券を購入する
行政が行う粗大ごみ回収は自治体によって料金設定が異なります。どの粗大ごみも一律300円というところもあれば、品目によって「200円、400円、600円」と料金が違うところがあります。東京都文京区ではもっとも安いものは300円ですが、もっとも高いものは「箱物家具(高さと幅の合計が360cm以上)」で2500円となっています。
処理券は市区町村の役所のほかに地域内のコンビニや小売店などで販売しています。ただ、となりの区で購入することはできません。必ず自分が住んでいる自治体の指定店で購入してください。
回収を申し込む
処分するものが決まったら、粗大ごみの回収を自治体に申し込みます。
- 役所の粗大ごみの窓口に電話をする
- インターネットで申し込みをする
といった方法があります。自治体によっては粗大ごみの回収を業者に委託していて、直接その業者に電話をして申し込むというところもあります。
申し込み時の注意
申し込むときには次の点を聞かれますので、事前に確認しておきましょう。
- 回収してもらう粗大ごみの品目(タンス・ストーブ・イスなど)
- 個数
- 回収希望日
- 回収場所(自宅の玄関前、ガレージなど)
なお、自治体によっては一度に出せるごみの個数に制限を設けているところがあります。例えば東京都23区は1度に10個までとなっています。他府県の自治体では最大5個までというところもあるので、引越しなどで大量に粗大ごみが出る場合は、事前に確認が必要です。
繁忙期は回収までに日数がかかる!
引越しシーズンの2月~4月は行政の粗大ごみ回収が混み合います。そのため、
- 電話がつながりにくい
- 回収日が10日~2週間後になることがある
といった難点があります。
処分するごみが決まったら、少しでも早くに申し込みをしておきましょう。
回収日当日の朝、家の外に出しておく
行政の粗大ごみ回収は、部屋の中まで引き取りに来てくれません。自分たちで家の外に出す必要があります。その場合は処理券を見えるところに貼っておきます。
ただ粗大ごみの中には重いソファーやベッド、部屋のドアより大きなテーブルやタンスなど搬出が難しいものがあります。また、マンションやアパートなど2階以上の建物から搬出する場合も、自分たちだけで出すのが困難という場合があります。
高齢者家族などの場合は相談すれば搬出を手伝ってくれる自治体もありますが、多くは自分たちで出すことが条件となっています。その手間が大変なのが行政の粗大ごみ回収のデメリットだと言えます。
分解できるものの場合
部屋のドアから出せないものでも分解が可能ならば、小さくして出すことも可能です。ただ、その場合の分解も自分たちで行います。行政はそこまではしてくれないので、ねじを外したりして分解しなければなりません。分解しても1個の粗大ごみとして扱ってくれますが、その手間が大変です。
粗大ごみ回収業者に依頼する場合の手間
一方で粗大ごみ回収業者に依頼する場合は、どんな手間がかかるのでしょうか。回収までの流れを見てみましょう。
粗大ごみ回収業者に回収を依頼する手順
- いくつかの粗大ごみ業者を比較して選ぶ
- 選んだ業者に見積もりを依頼する
- 回収に来てもらう
- 回収時に費用を払う
では、それぞれの手順について、ご説明していきます。
粗大ごみ業者を選ぶ
粗大ごみ回収業者が増えているので、地域内で複数の業者が見つかります。それぞれのホームページを見て、サービス内容や金額などを比較してみましょう。
粗大ごみ回収業者の比較ポイント
粗大ごみ回収業者では、次のようにいくつかのサービスを展開しています。
- まだ使えるものはリサイクルとしてその場で買い取ってくれる
- 電話をしたその日に回収に来てくれる
- 粗大ごみ以外の家庭ごみや古紙なども回収してくれる
- クレジット払いができる
- トラック1台分で○○円といった定額サービスをしている
他にもさまざまなサービスを展開しています。自分のケースならどのサービスがいいかを見ていきましょう。粗大ごみ回収業者の比較サイトなどがわかりやすいのでおすすめです。
見積もりを依頼する
粗大ごみ回収業者の料金設定は、業者によって異なります。
1社を選んだ場合でも、2~3社に絞った場合でも、必ず事前に見積もり金額を出してもらいましょう。
それぞれの業者のホームページでもある程度の金額はわかりますが、細かいことはそれぞれのケースで異なるので電話やメールで聞いてみてください。
回収を依頼する
早ければ即日回収をしてくれます。また、希望の日時を指定できるのも行政の粗大ごみとの大きな違いになります。仕事が忙しく在宅できる日が限られている方や引越しや部屋のリフォームなどで早く処分したい方などは粗大ごみ回収業者に依頼する方が早くてスムーズに処分できます。
粗大ごみ回収業者は部屋まで引き取りに来てくれる!
これが行政との最大の違いになります。行政の粗大ごみ回収は各自が家の外に運び出さなければなりません。しかし、現実には重いものや大きなものは困難です。
しかし、粗大ごみ回収業者なら大型家具や重いものでも部屋まで引き取りに来てくれます。上層階の場合でもクレーンで吊り下げて搬出してくれるので相談してみましょう。もちろん、ドアや壁を傷つけないように配慮してくれます。依頼主は部屋で待機しているだけでいいので、手間がかかりません。
その場で費用を払う
行政の粗大ごみ回収は事前に金額を調べて、処理券を購入する必要があります。しかし、粗大ごみ回収業者の場合は、回収したその場で料金を支払います。また、多くの業者がクレジット払いの対応もしています。依頼から回収、支払いまでがスムーズに進んでいきます。
行政と粗大ごみ回収業者との比較まとめ
それぞれの違いを手間という面でまとめてみました。
行政 | 粗大ごみ回収業者 | |
---|---|---|
申し込みから回収まで | 事前に電話かインターネットで申し込み。 回収は1~2週間後(ただし土日・祝日・年末年始は不可) |
電話かインターネットで申し込み、早ければ即日回収。または希望の日時を指定(土日・祝日も可能) |
料金の支払い | 事前に処理券を購入する | 回収時に支払う |
搬出 | 回収当日の朝、自分で家の外に出しておく | 部屋まで回収に来てくれる |
解体やクレーンでの吊り下げ | 解体しないと運び出せないものは自分たちで解体しておく。 行政が解体やクレーン吊り下げの搬出はしてくれない |
解体が必要な場合やクレーンで吊り下げて搬出が必要な場合はやってくれる |
それぞれの違いをよく理解して、上手に利用しましょう。
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