ゴミ屋敷になってしまう人の心理とは?ゴミ屋敷になる原因と、解決のためのポイント

入口が分からないほどのゴミ屋敷

街を歩いていると、家の周囲がゴミで覆われた、すさまじい家を見かけることがあります。どう考えても、普通の心理状態の人が住んでいるとは思えません。

周囲への迷惑を考えず、自分自身の住みづらさもおかまいなしに暮らすゴミ屋敷の住民とは、いったいどんな心理状態なのでしょうか?

ゴミ屋敷になってしまう人の心理の奥には、こんな原因が潜んでいる

なぜゴミ屋敷になってしまうのか?その理由はさまざまある

ゴミ屋敷になってしまう人の心理の奥には、いくつかの原因が潜んでいます。

  1. もったいなくてゴミを捨てられない
  2. ADHDや認知症などの病気が原因でゴミ屋敷になる
  3. もともと片付けるのが苦手
  4. ゴミの捨て方がわからない

ひとつの原因だけが当てはまる人もいるでしょうし、すべてが当てはまる人もいるかもしれません。ゴミ屋敷に悩む周囲の人が、何とかゴミ屋敷問題を解決したいと望むなら、まずはゴミ屋敷に住む住民の心理を知ることも必要でしょう。

「もったいない」という心理から物を溜め込み、いつの間にかゴミ屋敷に

貧しい時代の感覚が忘れられず、物を捨てられない

戦後の貧しい時代を知っている人に多いのが、何でもかんでも「もったいない」と言って、物を溜め込んでしまうケースです。

たとえば知り合いからお歳暮が送られてきたら、荷物の包装紙から紐・輪ゴムまで、戦後の貧しい時代を思い出し、「今ここで捨ててしまったら、もう手に入らないかもしれない」という心理が働き、捨てずに取っておくのです。

紐やゴムならまだ使えるので良いのですが、消費期限が切れて腐った食品や、汚れたカップラーメンの容器まで捨てられなくなったら、いよいよゴミ屋敷になる可能性は大です。少しずつジワジワと家の中にゴミが増えていき、ついには外に溢れ出してしまいます。

誰が見ても“ただのゴミ”に見えるものでも、ゴミ屋敷に住む人にとっては大事な“財産”。「それを捨てるなんてとんでもない」というのが、ゴミ屋敷に住む人の心理です。

昔の価値観ではなく、今の時代の価値観にシフトしていくことが大切

では、「もったいなくてどうしても物を捨てられない」という心理状態の人が、何とか物を捨てられるようになるには、いったいどうしたらいいのでしょうか?それは、物がなく貧しかった頃の時代の価値観ではなく、今の時代の価値観に自分を合わせることです。

物を捨てることを「もったいない」と思うよりも、物があることで狭い日本の住宅の貴重なスペースを奪われていることを「もったいない」と思うなど、新しい時代の価値観にシフトしていくことが大切です。

そのためにも、自分だけの世界に閉じこもらず、できるだけ若い人たちと会話をする機会を持つことも必要です。若い人たちの考え方を知ることで、「時代は変わったのだな」と実感することができ、いい意味で自分自身を変えることができます。

しかし一番問題なのは、ゴミ屋敷の住人に何も罪の意識もなく、何とかしたいという気持ちすらない場合です。そもそも罪の意識があれば、そこまで悲惨な状態にはならなかったかもしれません。そうなるともう、残念ながら打つ手はただひとつ、行政に頼るしかありません。

ゴミ屋敷になったのは、実は病気が原因だった

片付けたくても片付けられない病気「ADHD」が原因でゴミ屋敷に

「何でこんなにゴミばかり溜め込んで、平気でいられるのか?」と周囲の人があきれ返っていたら、実は精神疾患だったというケースもあります。

「ADHD(注意欠陥・多動性障害」という病名を聞いたことがある人は多いかもしれませんが、ADHDの症状のひとつに、「片付けられない」という症状があります。散らかったものを所定の位置に戻したり、書類を整理するなど、普通ならごく当たり前にできることができないために、いつの間にか家の中がゴミ屋敷になってしまうのです。

ADHDが原因でゴミ屋敷になってしまった人の場合、本人としてはワガママで散らかしているわけではないので、片付けたくても片付けられず苦しい心理状態にいる場合も少なくありません。

誰かが一緒に片付けてあげることで、ゴミ屋敷が解決に向かうことも

ADHDという病名が付いていると、「それなら病院に行って治療したほうがいい」と思う人もいます。たしかに、本人が病院に行くことに同意すれば、認知行動療法などを専門とするクリニックで治療を受けるのもひとつの方法でしょう。

しかし、解決策はそれだけではありません。もし本人に「片付けたい」という意思があるのであれば、誰かが一緒に片付けてあげて、必要なものと必要ないものを判断するお手伝いをしてあげると、少しずつ片付けられるようになるケースもあります。

認知症が原因でゴミ屋敷になるケースも多い

いま何かと話題になっている認知症ですが、認知症が原因でゴミ屋敷になるケースも数多くあります。

認知症になると、「今自分がどこにいるかわからない」「家族が誰だかわからない」といった症状が現れますが、それ以外に認知症特有の症状として「家事ができなくなる」「今日が何曜日だかわからなくなる」といった症状があります。この症状が出てしまうと、ゴミを分別してまとめることができなくなるばかりか、決められた曜日にゴミを出すこともできなくなります。

家族が手助けしてくれる家は問題ありませんが、一人暮らしの認知症の人は、どんどんゴミを溜め込んでゴミ屋敷化してしまうのです。認知症がひどくなってくると、「セルフネグレクト」といって、自分や住まいに関心がなくなるという症状が現れる人もいます。そうなると、片付けや掃除だけでなく、入浴や食事もままならなくなります。

さらに追い打ちをかけるように、「収集癖」が出てしまう人もいます。ゴミを捨てないだけならまだしも、外から物を拾ってきてしまうのです。ここまでくると、ゴミ屋敷は想像を絶するほど悲惨な状態と化します。

もともと片付けるのが苦手で、気が付いたらゴミ屋敷に

いくら片付けが苦手でも、ゴミ屋敷に発展してしまったら、もう見過ごせない

「片付けるのが大嫌い」「整理整頓が苦手」という人は、周囲にけっこういるのではないでしょうか?いつも何となく部屋が散らかっている人や、どこに何を置いたかわからなくて、探し物ばかりしている人もいます。

それもある程度のレベルまでは笑って見過ごせるのですが、ゴミ屋敷にまで発展してしまうと、もう見て見ぬふりはできません。自分が片付けることができないのであれば、家事代行サービスを頼むなり、誰かにフォローをしてもらうなりして片付けるしかありません。

忙しくて片付ける時間がない場合は、家事代行サービスに依頼を

片付けられない人の中には、「片付ける時間があればやりたいけれど、忙しくて時間がない」という場合もあります。もともと片付けが苦手なので、まとまった時間がないと片付けられないと思っているため、忙しいとどんどんそのタイミングが先に延びてしまうのです。

その際は、やはり少々痛い出費ではありますが、家事代行サービスを依頼するのがベストの方法です。家事代行サービスの中には、片付けが得意なスタッフが依頼者に代わって片付けをしてくれたり、一緒に家を片付けてくれたりするサービスもあります。土日の休みなどを利用して、思い切って依頼し、ゴミ屋敷を一緒に片付けてもらうというのもひとつの方法です。

「足の踏み場もないほどゴミだらけなので、家事代行サービスを頼むのも恥ずかしい」という場合は、不用品回収業者に依頼する方法もあります。そのレベルになってくると、掃除というよりはゴミ回収の方がメインなので、不用品回収業者にゴミ回収と掃除をセットで依頼すると良いでしょう。

「実はゴミの捨て方がわからなくて、ゴミ屋敷になった」というパターンもある

ゴミの分別の仕方が難しく、どうやって出したらいいかわからなくなってしまう

特に男性に多いのが、「ゴミの捨て方がわからなくて、ゴミ屋敷になってしまった」というパターンです。

もともと仕事で忙しい人は、深夜にヘトヘトになって帰宅し、朝になれば朝食もそこそこに家を出てしまいます。そのため、「コミの捨て方がわからないけれど、誰にも聞けない」と思っているうちに、どんどんゴミが溜まってゴミ屋敷になってしまうのです。

男性の場合、「誰かにゴミの捨て方を聞くなんて、恥ずかしい」という、妙なプライドがある人もいます。日本には「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」「危険物」などごみの種類がたくさんあり、これを仕分けて出すというのは、面倒くさがり屋の男性にとっては酷な話です。

ゴミの出し方がわからない、でも人には聞けない

たとえばビールは資源ごみで木曜日、硬いプラスチックの品物は燃えないゴミで水曜日、食べ残しは燃えるゴミで火・金曜日といったように、ゴミ出しの曜日もゴミの種類も非常に細かく分かれています。

さらにゴミに出すときの袋の透明度まで指定されることもあり、間違えて出して近所の主婦から「ゴミの出し方が違うわよ!」などと指摘されようものなら、もうトラウマになってゴミ出し恐怖症に陥ってしまう人もいるでしょう。

「ゴミの出し方がわからないし、あまりに面倒くさい。だけど人には聞けない」この負のループにはまってしまうと、着々とゴミ屋敷への道を歩むことになります。

思い切って数日間休暇を取り、家の中を改革すること!

ゴミの出し方がわからなくてゴミ屋敷になってしまった人は、特に心理的な問題があるわけではないので、本人がその気になれば比較的早期にゴミ屋敷問題は解決します。

思い切って数日間休暇を取り、まずは不用品回収業者にゴミ回収と清掃を頼んで、一気に室内をクリーンにしてしまいましょう。自分でやることもできますが、あまりの大変さに途中で挫折してしまう可能性があるので、注意が必要です。

そして美しくなった部屋の快適さを実感すると、「もう二度とゴミ屋敷にはしたくない」という思いがフツフツと湧いてくるはずです。そうしたら、おもむろにパソコンを開き、自治体のホームページに掲載されている「ゴミの出し方」を熟読します。

中途半端に読むのではなく、完璧にマスターしましょう。「燃えないゴミは透明の袋」といった初歩的な知識から、「直径90㎝以上のゴミは粗大ゴミに出す。ネット上で予約が可能で、コンビニでゴミ処理券を買って、当日はシールを貼って朝8時までに回収場所に出す」といった高度なテクニックまで、完全にマスターするのです。ビジネスマンなら、1日もあればすべてをマスターすることができるでしょう。

ゴミの出し方を把握することで、コンプレックスから解放される

ゴミの出し方を完全に把握することで、今までのゴミ出しコンプレックスから解放され、ゴミを出すことへの揺るぎない自信がみなぎってくるはずです。そして、自分でも不思議なほど「早くゴミを出したい!」という気持ちが、湧き上がってくることでしょう。

そうしたらもう、ゴミ屋敷問題は解決したようなものです。ゴミの分別ペールを用意したり、分別ペールに曜日シールを貼るなどして、わかりやすくゴミを捨てられるようにすれば、問題なくゴミは捨てられます。決まった曜日に正しくゴミを捨てられるようになれば、もうゴミ屋敷になることは二度とありません。

ゴミ屋敷から抜け出せない人は、その後どうなっているのか?

暴行してくるゴミ屋敷住人

ゴミ屋敷になる原因とその対処法をお話ししましたが、現実にはいったんゴミ屋敷になってしまうと、何ともいえない安堵感に浸ってしまい、そこから抜け出せずにいる人が多いのは事実です。ゴミ屋敷から抜け出せない人は、その後いったいどうなっているのでしょうか?

暴行容疑で逮捕されてしまったゴミ屋敷の住人

テレビで報道されたので覚えている人もいるかもしれませんが、2017年11月に60代のゴミ屋敷住人は、ゴミ屋敷のゴミを片付けようとした女性に暴力をふるったとして警察に逮捕されました。逮捕後、2018年1月には住まいの明け渡しを命じる判決が下され、4月には「住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例」が施行されて、7月に強制執行が行われました。

この家は、かつては近所の羨望を集めるほど立派な家だったそうですが、あるときから住人がゴミを集め出したことがきっかけで、ゴミ屋敷と化しました。強制執行を受けた住人は、「納得していないけど、そうするしかない」と、ついに観念したそうです。

ゴミ屋敷の原因となる精神疾患を改善することは難しい

この住人の場合、ゴミ屋敷になったのには本人に悪気があったわけではなく、ゴミ屋敷の住人特有の精神的な問題が原因となっていたようです。本来はその疾患を改善することがベストの方法ですが、幼少期のトラウマなどの問題もあり、改善は難しいとか。現状では、法のもとの強制執行という形でしか、ゴミ屋敷問題の解決は難しいようです。

ゴミ屋敷マンションの住人の7割は、実は女性だった

ゴミ屋敷住人の女性

ゴミ屋敷化するマンションの室内。職業は看護師が圧倒的に多い

ゴミ屋敷の住民と聞くと、面倒くさがりの男性をイメージする人も多いかもしれませんが、実はそうでもないようです。清掃会社「まごのて」社長の話によると、ゴミ屋敷と化したマンションの住人の約7割は、女性なのだそうです。

カーテンを閉め切り、天気がいい日も開けない部屋は、ゴミ屋敷になっている可能性が高いとか。職業としては、看護師が圧倒的に多いのだそうです。

女性のゴミ屋敷が多いのは、男女の心理的な違いもある?

看護師さんがゴミ屋敷と聞くと、頷ける人も多いかもしれません。人手が足りず、かといって生死に関わる現場で働いているため、人がいなければ自分が出て行かざるを得ません。部屋の掃除などやっている暇はほとんどなく、しかも日々患者のケアで神経をすり減らしているため、自分をケアできなくなる心理状態もあるかもしれません。

女性のゴミ屋敷には、使用済みの生理用ナプキンや腐った食材が多いそうです。逆に男性のゴミ屋敷には乾いたゴミが多く、弁当の容器があっても完食していることが多いとか。ゴミ屋敷マンションの住人に女性が多いのは、仕事の忙しさだけが理由ではなく、心理的な違いも隠れているようです。

ゴミ屋敷と切っても切り離せないゴキブリ問題。いったいどうする?

新築のマンション外観

ゴキブリが移動しやすいマンションは、ゴミ屋敷の近隣住民の悩みも深刻

ゴミ屋敷と切っても切り離せない問題のひとつに、ゴキブリの大量発生があります。ゴミ屋敷の住人は“身から出た錆”なのですから仕方がないのですが、迷惑なのは近隣の住人です。中でも特に深刻なのは、マンションの場合です。

マンションは複数の住居がひとつ屋根の下で暮らしているため、ゴキブリも一軒家感覚で移動してしまうのです。外からは室内がまったく見えないため、隣近所の部屋がどうなっているかはまったくわからず、「いつも清潔にしているのに、どうしてゴキブリがこんなに出るのだろう?」と思っていたら、実は隣りがゴミ屋敷だったというケースが少なくありません。

ゴキブリだらけのゴミ屋敷は、専門の業者に頼んで解決する方法もある

近隣のゴミ屋敷から出るゴキブリ問題に悩んでいる人は、まずは管轄の市町村役場か警察に相談しましょう。マンションに住んでいる人は、マンション内の問題として理事会に相談することから始めると、力になってもらえる可能性もあります。

行政にゴミ屋敷の件を相談すると、まずは“注意”という形で、ゴミ屋敷の住人に声をかけてもらえます。ここで住人が納得すれば、専門の業者に頼んでゴミの撤去と清掃をしてもらうことで、いったんゴキブリは減るでしょう。そこで問題が終わったわけではありませんが、何もしなければゴキブリは繁殖し続けてしまうので、まずは相談するしか方法はありません。

もしも住人がゴミの撤去に納得しなかった場合、市区町村によってはゴミ屋敷に関する条例を用いて、強制執行を行う場合もあります。現実としては、近隣住民が泣き寝入りしてしまうケースも多いのですが、ゴキブリの大量発生ともなれば一刻を争う一大事です。けっして諦めずに、解決に向けて行動し続けることが大切です。

ゴミ屋敷の掃除は、不用品回収業者が強い味方に

ゴミ屋敷の掃除を依頼するときは、清掃のプロフェッショナルに依頼するのがベストの方法です。不用品回収業者は、ゴミの回収だけでもやってくれますし、ゴミ回収と清掃をセットでお願いすることもできます。その際は山ほどのゴミを回収した上で、部屋中をピカピカにしていってくれます。

ゴミ屋敷に悩む人にとって、一気に室内を見違えるような状態にしてくれる不用品回収業者は、何よりも強い味方になります。少しでも安く良い仕事をしてくれる不用品回収業者を探すなら、当サイトの「粗大ゴミ一括見積もり」で複数の業者から見積もりを取りましょう。見積もりをもとに比較検討して、その中から自分にとってベストの業者をセレクトすることをお勧めします。

ゴミ屋敷になってしまう人の心理に関するまとめ

性格的な問題や病気など、さまざまな理由でゴミ屋敷から抜け出せずにいる人は、少なくありません。「ゴミ屋敷から何とかして抜け出したい!」と思うなら、自分の気持ちの中に「きれいな家に住みたい」という思いが残っている間が、タイムリミットです。

「明日考えよう」などと思っていると、その“明日”は永久にありません。また、自分だけの力で解決しようと思っても、途中で挫折してかえって悩みを深刻にしてしまうケースが多いでしょう。

できるだけ早く不用品回収業者に依頼し、まずは一回ゴミ屋敷をリセットしてから、先のことを考えるのがベストの方法です。

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