汚部屋になってしまうのは、必ずしも性格がだらしないからだけではありません。そこには心理的な問題が隠れています。汚部屋からごみ屋敷へと進行させないために、片付けられない人の心理と特徴を知っておきましょう。
片付けられない人の心理と特徴とは
部屋が片付けられないという背景には、「忙しくて掃除ができない」「疲れていて片付ける前に寝てしまう」などの原因がありますが、実際に汚部屋になってしまう人には次のような5つの心理と特徴が潜んでいます。
- 損をしたくない
- 欲求不満がある
- 優先順位がつけられない
- 理想が高すぎて計画倒れになる
- ADHD(注意欠如多動性障害)や軽い認知症などの病気がある
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
損をしたくない人
「物を大切にする」「もったいない」という気持ちはとても大切です。包装紙や買い物袋などを大切に取っておけばいつか役立つかも知れないという気持ちがあるため、なかなか物が捨てられません。しかし、それが積もり積もっていくと汚部屋になっていきます。
また、試供品など「タダでもらえるものはとにかくもらっておこう」というタイプの人も、部屋の中にこまごまとしたサンプル品がたまっていきます。実際にそれを使って試せばいいのですが、使うわけではないので結局ごみになってしまいます。
捨てると損をする気持ちになる
こういったタイプの人は、「物をもらわないと損だ」「物を捨てるのは損をした気分になる」という傾向があります。また、10円でも安い物を見かけたら得をしたような気分になって買ってしまい、部屋の中に物が増えていきます。
欲求不満がある
人間関係でトラブルがあったり、異性との関係がうまく築けなかったりという場合は、心が満たされないために知らず知らずのうちに欲求不満になっています。そして心の溝を埋めるために買い物依存になったり、甘い物をいっぱい食べたり、お酒を飲み過ぎたりといった極端な行動に走りがちです。
さびしさを埋めるために物を購入してしまう
愛情不足になると甘い物を欲しがったり、アクセサリーを購入したりするという説があります。ごみを捨てられない心理には、さびしさが隠れている可能性があります。
自分を認めてほしい気持ちの裏返し
「いい人」「よくできる人」と思ってほしい人は、周囲に対して実力以上の自分を見せようと頑張りすぎる傾向があります。そして、家に帰るとその反動で何もしたくなくなるということが起こります。
その結果、部屋の片付けができずに汚部屋に進んでいきます。
「こんなしっかりした人がどうして……」と言われるのは、そういった背景があるからです。このタイプは部屋に人が来ると張り切って掃除ができるので、時々自宅に友人を招いてみるといいですよ。
優先順位がつけられない
仕事でもプライベートでも、とにかく優先順位がつけられないというタイプがいます。部屋の片付けを始めたけれどなつかしいアルバムを見つけて手が止まってしまったとか、古着を片付けながら夕食の支度が気になって買い物に出かけてしまったということが起こります。
後で説明するADHDとは違って、単に集中力がないというケースです。
優先順位をつけるには「やることリスト」を作るといい
その日にやっておきたいことをリストにして書き出しておきましょう。
・洗面所を拭く ・キッチンの引き出しを整理する (夕食の買い物) じゃがいも・玉ねぎ・塩 |
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このように最低限のことだけを書いておきます。このときのコツは欲張ってあれもこれもと書き出さないということです。
「よし!今日は天気がいいから、布団を干して、シーツと枕カバーを洗って、干した後は1週間分の買出しをして、帰ってきたら作り置きのおかずを作って、洗濯物が乾いたらアイロンをかけて・・・・」とやることリストが多すぎると結局消化不良になって、どれも中途半端に終わってしまいます。
さらに「自分は何もできないダメな人だ」と落ち込む原因になるので、やることは2~3点にしておきましょう。
理想が高くて計画倒れになる
誰も最初から汚部屋を目指していたわけではありません。
むしろ、すっきりと片づいたきれいな部屋での生活を夢見ていたはずです。しかし、その理想が高すぎると、逆効果になってしまうことがあります。
インテリア雑誌にあこがれて失敗するケース
インテリア雑誌やおしゃれな部屋を紹介しているブログなどを見ると、「自分もこんな暮らしをしてみたい」と張り切って挑戦します。
さまざまな収納グッズを用意し、観葉植物を置いて部屋を整えようとしますが、あまり細かく決め事を作ると、維持できなくなってしまうのです。
例えば収納を細かく分類しすぎると、どこに何を入れるのかわからなくなって結局出しっぱなしになります。また、収納グッズばかりが増えて、部屋が狭くなる原因になります。
観葉植物や鉢植えなどを並べても、水やりなどの世話ができないと枯れてやっかいなごみになるだけです。さらに部屋の飾りにはほこりがたまっていきます。
しかも、インテリアなど統一されているといいのですが、この面はカントリー調、こちらの壁はヨーロピアン調などトーンの違う装飾にすると、部屋全体がちぐはぐになってしまいます。
そのあげく部屋を飾るのが面倒になり、計画倒れに終わってしまうのです。雑誌は参考にしてもいいですが、まずはシンプルに片づいた部屋を維持しましょう。その上でさまざまなアレンジを楽しむのがおすすめです。
ADHD(注意欠如多動性障害)や軽い認知症などの病気がある
これは本人が自覚していないほど軽い程度のものから、生活に支障が出るものまでさまざまです。いつもはきちんと部屋を片付けられるのに、最近ごみをほったらかしにしているとか、まだ買い置きがあるのに何個も買ってくるといった場合は、軽い認知症の可能性があります。
周囲が気をつけて見てあげて、専門の医師を受診するようにすすめてあげてください。
ADHDの場合
ADHDにはさまざまな症状があります。なかなか片付けられないといった症状の人がいて、その場合は周囲が気をつけてあげないと汚部屋になってしまう可能性があります。
ただし、決して本人を責めないようにしてあげてください。家族の言うことを聞かない場合は専門医を受診し、医師から片付けのコツ(毎日5個整理するなど)を指導してもらうといいでしょう。
一方、このような病気がない場合でも、仕事でのストレスや不眠、軽いうつ病などが原因で片付けができない場合があります。家族が異変に気づいたら、話を聞いてあげるようにしましょう。その上で医師の受診をすすめてあげてください。
汚部屋は早い段階で気づけば防ぐことができます。本人を責めずに気持ちよく片付けられるようにリードしてあげるといいですね。
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