「汚部屋」とはその名の通り「汚い部屋」のことです。単に散らかっているというだけでなく、ほこりがたまり、カビやダニ、ごきぶりなど害虫の温床になることも。さらには健康への影響などデメリットがたくさんあります。「最近、部屋が散らかってきたな」という方は汚部屋になる前にデメリットをチェックしてみましょう。
この記事で分かること
衛生面でのデメリット
汚部屋はまず不衛生な点が問題です。ほこり、ダニ、害虫、カビなど多くのデメリットがあります。
ハウスダストが発生する
汚部屋は床一面に物が広がっています。そのため、掃除機をかける回数が減ってしまい、部屋のすみにほこりがたまってしまいます。ほこりを吸い込むと気管支に悪い影響を与えます。
ほこりの中でも肉眼では見えにくい1mm以下のものは「ハウスダスト」と呼ばれています。ハウスダストは細かいので空気中に舞い上がり、それを吸い込むことで気管支炎やアレルギー症状、ぜんそくなどを引き起こすことがあります。
ハウスダストには部屋にたまったほこり以外にペットの毛、人間の毛髪やフケ、花粉、衣類の繊維、ダニの死がいなどが含まれています。ハウスダストは小まめに掃除をすることで防げます。
ダニが発生する
ダニには多くの種類がありますが、家庭内で多く発生するのは「ヒョウダニ」や「コナダニ」「ツメダニ」「イエダニ」などです。特にヒョウダニは1年中発生するもので、人のフケや垢(あか)、毛髪などをエサにします。布団やじゅうたん、家具などに発生するので、布団を敷きっぱなしにしている汚部屋はダニが繁殖しやすい環境だと言えます。
一方、コナダニは砂糖や小麦粉、畳などに発生します。賞味期限が切れた小麦粉を長期間放置していると、ダニが発生する可能性があります。さらにツメダニはコナダニをエサに繁殖します。そのため、コナダニがいる環境はツメダニの発生を招くきっかけになります。イエダニはねずみなどの血を吸って生きています。汚部屋からごみ屋敷になっていき、ねずみが発生すると、イエダニの繁殖につながります。
イエダニはほ乳類の血を吸うので、発生すると人間も被害に遭います。また、ダニの死がいはハウスダストとなってアレルギーの原因になっていきます。
ゴキブリが発生する
ゴキブリは適度な温度(10℃~25℃)と食べ物や水があれば生きていけます。ゴキブリの食べ物とは食事の食べかす、カップラーメンの残りの汁、洗わずに放置した食器についた食べ物、生ゴミ、洗面所に飛び散った水などあらゆるものがエサになります。
汚部屋はゴキブリにとってはまさに楽園のような環境です。
ゴキブリは人の血を吸ったり、かみついたりすることはありません。しかし、あちこち動きまわってばい菌やウイルスを他のものに感染させていきます。そういった意味で大変不衛生な生き物です。
ゴキブリの発生を防ぐには、まず食べ残しを放置しないこと、食べかすはすぐに掃除機やぞうきんで拭き取ること、床の水はきれいに拭き取ることなどが大切です。
カビが発生する
人は寝ている間に約200mlの汗が出るといわれています。ただし、これは平均値なので、人によってはもっと多くの汗をかいている可能性があります。布団を干さずに敷きっぱなしにしていると、毎日200mlずつの水分がたまっていきます。その結果、布団にカビが発生します。
それ以外にも部屋の窓を開けずに通気性が悪い場合も、壁や床にカビが発生します。特に窓が結露すると、カーテンや壁にはカビが発生するので注意が必要です。
カビはアレルギーの原因になるので、換気を心がけて防ぐ必要があります。
作業効率の面でのデメリット
汚部屋はとにかく物が散らかっています。どこに何があるのかわからないという場合が多いのですが、そうなると探し物に時間がかかってしまいます。
最初は「ちょっとここに置いておこう」と安易な気持ちで置くのですが、その上にさらに衣類や書類などが積み上げられると、見つけるのにひと苦労です。
出かける前に探し物で時間がかかり遅刻する
出かける前によくある探し物やトラブルには、次のようなものがあります。
- 腕時計が見つからない
- 折りたたみ傘が見つからない
- 靴下が見つからない
- 財布や定期入れがない
- マフラーや手袋がない
- ハンカチがしわくちゃ
- 書類の入ったファイルがない
- 化粧品が見つからない
などです。
ひどい場合は「家のカギが見つからずに出かけられなかった」というケースもあります。
こういった物は置き場所を決めておけば、出かける前にあわてることがなくなります。定位置に物を置けるように、一度部屋をすっきりと片付けてみましょう。
買い物が増えるというデメリット
「どこかにあるはず」と思っていても、それが見つからないと仕方なく同じ物を購入してしまうということがあります。
ムダな在庫になりやすいもの
- 洗剤
- シャンプーや歯みがき粉
- 小麦粉やサラダ油などの調味料
- トイレットペーパーやティッシュペーパー
こういった物がすぐに見つからない汚部屋では、「どうせいるものだから買っておこう」となって在庫が増えていきます。常備品の置き場所を決めておけば、そこを見れば残りがどれくらいあるかがわかるのでムダな買い物が減らせます。
精神的なデメリット
部屋が片付かず汚部屋に近づいていくと、さまざまな精神的なデメリットがあります。
やる気が起きない
少し散らかっただけならすぐに片付けようという気持ちが起こりますが、あまりにも物が散乱すると片付ける意欲がなくなってしまいます。その結果、「今さら片付けたって無理」とか、「どうせ誰も来ない部屋だから」などと投げやりな気持ちになってしまいます。
自分を責めてしまう
雑誌やテレビでおしゃれな部屋を見ると「いいな~」と思う反面、自分の汚部屋を見るとげんなりしてしまいます。その結果、「自分は片付けもできないダメな人間なんだ」と落ち込んでしまいます。また、「どうして自分はこんなこともできないんだろう」と責めてしまい、気持ちが沈んでいきます。
ただ、きれいにすっきりと片付ければ気分はすぐに好転するので、散らかる前に整理や掃除をするようにしていきましょう。
経済的なデメリット
こまめに掃除をしていれば、大掃除のときもそれほど苦痛にはなりません。しかし、長期間汚れたままにしておくと掃除でも片付けでもプロにお願いする必要があり、そのための費用が生じます。
キッチンの掃除 | 16,000円 |
---|---|
換気扇の掃除 | 17,000円 |
エアコンのフィルターの掃除 | 12,000円 |
トイレクリーニング | 8,000円 |
浴室の掃除 | 16,000円 |
洗面所の掃除 | 8,000円 |
ソファの掃除 | 2,400円~ |
ガラス・網戸の掃除 | 1,000円~ |
害虫駆除 | 初回12,000円、2回目以降6,000円 |
粗大ごみの処理 | トラック1台分30,000円~ |
などとなっています。
例えばエアコンのフォルターの掃除は、自分でやっても30分もかかりません。また、粗大ごみは自治体の粗大ごみ回収に出せば数百円で処分してもらえます。
もちろん、家庭ごみや空き缶・空きびん、ペットボトルなどもそれぞれ自治体の回収日にきちんと出していればほとんどが無料(ごみ袋代は必要)で処分できます。
これらをためればためるほど費用がかかってしまいます。
このように汚部屋にはさまざまな面でデメリットがあります。片付けや掃除は面倒なものですが、毎日の生活の中でごみや物を増やさない工夫をしていきましょう。
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