見逃しがちだけれど、ついつい増えて溜まってしまいがちな食器。じつは、日常的に稼働している食器はごくわずかで、大半は「戸棚の肥やし」だったりします。本当に必要なものだけを残して、要らないものをリユース&リサイクルに回すことは、快適な暮らしの第一歩と言えるのではないでしょうか。
この記事で分かること
捨てる前に一考を!リサイクルショップでエコ+倹約
不要になった食器は、市町村により「不燃ごみ」「陶器・ガラスごみ」などとして無料で回収してもらえます。でも、もし引越やリフォームなどで、大量に食器を処分する場合は、ごみとして「捨てる」前に、「リユース(再使用)」できないか、一旦考えてみましょう。
大量にある場合は、リサイクルショップの「出張見積」が便利です。有名ブランドの食器ならば高額で買い取ってもらえる可能性がありますし、ブランド品でなくても、状態によっては買い取ってもらえる場合がありますので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
たとえば、「いつか使うことがあるかも…」と、取っておいた結婚式の引き出物。5年以上使わず、戸棚の奥にしまいっぱなし…なんていう場合は、思いきって売ってしまうのもいいかもしれません。
未使用であること、箱や包装紙をきれいな状態で取ってあること。この2つの条件が揃っていれば、高く買い取ってもらえる可能性が高いです。一方、割れたり欠けたり、コンディションの悪い食器はごみとして出してしまいましょう。
戸棚の奥に〝高級ごみ〟眠ってませんか?
1位:エルメス/HERMES | 1837年に馬具工房として創業したフランスの老舗ブランドです。食器ではデュガダルキヴィールやブルーダイユールなどのペアカップ&ソーサーが人気。アクセサリーやバッグなどのイメージの強いエルメスですが、遊び心のある食器類も人気のあるアイテムのひとつです。「食は文化であり芸術である」という考えを持っているフランスならではの洗練されたデザインが特徴のテーブルウエアがかなり高額で取引されています。 |
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2位:バカラ/Baccarat | 1764年フランス東部ロレーヌ地方のバカラ村で誕生したルイクリスタルメーカー「バカラ」。かの15世の許可のもと、創設された歴史あるクリスタル食器メーカーです。「王者たちのクリスタル」とも呼ばれ、透明度のあるクリスタルガラスは今もなお世界中のセレブたちに愛され続けています。 |
3位:マイセン/Meissen | マイセンは欧州で初めて硬質磁器を生み出したドイツの名窯であり、西洋白磁の頂点に君臨する食器メーカーです。外国製の食器メーカーの中でも知名度が高く、日本にもコレクターが数多く存在しています。 |
4位:ウエッジウッド/WEDGWOOD | 英国王室御用達の繊細なデザインが特徴的な食器メーカーです。「ウェッジウッドブルー」と言われる高貴でオリジナリティあふれる「青」がウエッジウッドの魅力を引き立たせています。ティータイムを定期的に設けている英国ならではのティーセットが気品のあるティーセットが人気ですね。 |
5位:ロイヤルコペンハーゲン/Royalcopenhagen | ロイヤルコペンハーゲンは王立磁器製陶所が起源のデンマークのブランドです。1点1点職人がデザインを施し、シェーブナンパーが製品の裏側に入れられているのが特徴。創立から230年経った今でも伝統は引き継がれ人気ラインであるブルーフルーテッドは創業当時と変わらない技法で、デザイナーがハンドペイントで絵付けをしています。 |
6位:ヘレンド/Herend | ヘレンドは1866年に貴族モーリッツ=フィッシャー・フォン・ファルカシュハージとして称号を与えられたハンガリーの代表的な陶器・食器メーカーです。ヘレンドの特徴はその美しい装飾にあります。日本の陶器にはない色鮮やかな色彩とデザインが非常に魅力的な食器といえます。 |
7位:ティファニー/TIFFANY&Co | 1837年、ニューヨークのブロードウェイ259番地に第一号店を設立したアメリカを代表する世界的宝飾品・銀製品ブランド。引き出物の定番としてペアマグカップを入れるカップルも多いので、食器棚の奥で眠っている可能性も高いと言えるのではないでしょうか。 |
8位:カルティエ/Caltier | 「王の宝石商、宝石商の王」と言われるフランスの名門ブランド、カルティエ。食器では、オリエンタルやアフリカンなど多彩なモチーフを取り入れたペアカップ&ソーサーが人気。カルティエというブランドだけで高値がつく可能性もあります。 |
9位:オールドノリタケ/Noritake | 日本が誇る世界の食器ブランド。オールドノリタケは、現在のノリタケカンパニーリミテッドが明治期から戦前までに輸出したビンテージの陶磁器で、根強い人気があります。 |
10位:チャード ジノリ/Richard Ginori | チャード ジノリはイタリアの老舗陶磁器メーカー。「ベッキオホワイト」と呼ばれるバロック調の白皿をはじめ、カラフルなフルーツをあしらった食器が人気のメーカーです。 |
※複数リサイクルショップ調べ。2016年データ
捨てる場合の分別
毎日、日常使いをする食器は、つい落としたりぶつけたりして割ってしまいがち。ひと言に食器と言っても、ガラス、陶器、磁器、木、ステンレス、銀、アルミ、プラスチックなど素材はさまざま。それゆえ、ごみの出し方もそれぞれ異なります。お住まいの地域の自治体のルールに従ってごみに出してください。
ガラス
コップ、グラス、皿、ボウルなど。ごみに出す際は、古新聞やぼろ布に包んで、「危険・われもの」のメモ書きを貼って出しましょう。割れたものが入っているときちんと記載していないと、清掃業者の人に怪我を負わせてしまう危険性もあるのでごみとして出す場合は注意してください。
陶磁器
カップ、杯、皿、ボウル、花瓶など。ただし30cmを超える場合は粗大ごみ扱いとなります。こちらもガラス同様、ごみに出す際は、古新聞やぼろ布に包んで、「危険・われもの」のメモ書きを貼って出しましょう。
木
汁碗、皿、杯、箸などは普通に燃えるごみとして捨てることができます。
ステンレス
ナイフ、フォーク、スプーン、皿、ボウル、鍋、フライパン、ざる、はさみ、包丁、バットなど。鋭利なものは古新聞やぼろ布に包んで、「危険・刃物」のメモ書きを貼って出しましょう。
銀・銅・アルミ
ナイフ、フォーク、スプーン、皿、ボウル、杯、鍋など。銀食器は、専門リサイクルショップもあり、状態の良いものは高価で買い取ってもらえるので、まずは問い合わせてみることが得策。捨てる場合は、鋭利なものは古新聞やぼろ布に包んで、「危険・刃物」のメモ書きを貼って出すのが常識です。
プラスチック
コップ、皿、ボウル、ザルなどは「容器包装プラスチック」には該当しません。地域によって可燃ごみ扱いのところと不燃ごみ扱いのところがあるので、自治体のルールに従って出してください。
新技術「リサイクル陶土」へのとりくみとエネルギー低減への期待
ガラスと違って陶磁器は1300℃前後の高温で焼いて作るため、これまで「リサイクル不能」と言われ、ごみとして出された場合、ほとんど埋めるしかありませんでした。
陶磁器は「陶土」と呼ばれる土を主原料に作られています。陶土は火成岩が何百年もの時間をかけて風化し生成された層状の堆積性粘土。しかし、大量生産・大量消費のサイクルを連綿と続けてきたツケが回ってきて、昨今では良質な土の枯渇が深刻化しています。
日本にある陶土だけではまかないきれず、海外から土を輸入している陶磁器産地もあるそうです。しかし昨今、陶磁器の有志企業と行政が協力し、ごみとして収集された陶磁器を原料とした「リサイクル陶土」の研究が進められています。
家庭やレストラン、学校給食などから回収した使用済みの食器を粉砕して天然の陶土に混ぜて製土・製陶するのですが、現在ではリサイクル原料を50%混ぜるまでになっているとのこと。今後研究が進み、リサイクルの配合率をもっと高めていくことが期待されています。
さらにリサイクル陶土は、新しい陶土の使用量を節約できるだけでなく、一度高温で焼かれた陶磁器の成分が入っているため強度が高く、また、ガラス化が進みやすいので低い温度で焼き上げることが可能になります。陶磁器の生産過程で使うエネルギーのうち、約80%が焼き上げに使うエネルギーだといいますから、焼成温度を下げられるということは、かなり燃焼エネルギー消費の低減に貢献できるのです。
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