回収した後はどうなる?家電ごみのその後

家電ごみ

家庭から出された粗大ごみは回収された後、どこへ行って、どうなるのでしょうか。現在の日本の家電リサイクル事情とともに、家庭から出された家電の粗大ごみについて詳しく紹介します。

特定家庭用機器 4品目

2001年より、ごみの減量・資源の有効利用の観点から、廃棄物のリサイクル推進の新たな仕組みを構築するために家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)が施行されました。この法律では、エアコン・テレビ・冷蔵庫、洗濯機の4品目が「特定家庭用機器」として指定され、小売業者は「排出者からの引取りと製造業者等への引渡し」、製造業者等は「引取りとリサイクル(再商品化等)」といった役割をそれぞれが分担し、リサイクルを推進することが義務づけられるようになりました。

エアコン

家庭から粗大ごみとして出されたエアコンは、収集された後「家電リサイクルプラント」に搬送されます。そこで室内機のキャビネットが取り外され、室内機の熱交換器を取り出し、冷媒回収機で冷媒フロンをボンベに回収。その後室外機の部品を取り外します。
家電リサイクル法の対象には、ウインド型と、セパレート型(壁かけ型・床置き型)のエアコンが指定されています。現在、粗大ごみとして引き取られたエアコンは冷媒フロンの回収・処理を行った後、総重量の80%以上をリサイクルしています。

テレビ

回収され「家電リサイクルプラント」に搬送されたテレビは、最初に背面カバーを取り外し、基板やコード類の取り外し→液晶画面(旧製品はブラウン管)を取り外します。
ブラウン管は分割・破砕・乾式洗浄され、ガラスとして再利用され、液晶テレビから取り外された基板は、専用処理施設でリサイクル処理されます。キャビネットは破砕機にかけられ、プラスチック原料として再利用されます。

冷蔵庫

「家電リサイクルプラント」に搬送された冷蔵庫は、まずプラスチック部分とドアパッキンのゴム部分を取り外します。その後、冷媒回収機で冷媒フロンを回収し、専門処理施設で処理します。冷媒フロンを回収後、コンプレッサーを取り外して切断し、中のモーターを取り外します。

洗濯機

「家電リサイクルプラント」に搬送された洗濯機は、コード類とモーターを取り外し、基板を取り外した後、洗濯機の上ぶたの部分を取り外します。破砕機やリサイクルされる金属の錆防止のため、洗濯槽上部のリング部に入っている塩水が、切断機などを使って抜かれ、最後に本体から洗濯槽を取り外すカタチで処分されます。

分解された後、再利用される材料

回収された家電は材料別に細かく分解され、再利用されます。使えるものは使う。エコという観点からも家電に使用さえ得ている部品の再利用は、地球にとって、そしてこれからの未来にとって必要なことだと言えますね。

鉄、ステンレス

洗濯機の洗濯槽、エアコンの熱交換器、冷蔵庫の背面など。素材として再利用されます。

非鉄金属

基板に含まれるアルミや銅など。素材として再利用されます。

プラスチック

エアコンやテレビのキャビネット、洗濯機や冷蔵庫のボディなど。各種類ごとに選別され、再利用されます。

ウレタン

冷蔵庫の断熱材として使用されていたものを微粉砕後に圧縮し、資源として再利用します。断熱材内のフロンは密閉した粉砕機の中で回収されます。

小型電子機器のリサイクル

「小型家電リサイクル法」により促進

パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機、時計、炊飯器、電子レンジ、ドライヤー、扇風機などの小型家電には、鉄、アルミ、銅、貴金属、レアメタルといった有用な金属がたくさん含まれており、いずれもリサイクルが可能な貴重な資源です。しかし、以前まではその大部分が回収されずに廃棄されていました。そこで2013年に「小型家電リサイクル法」が施行され、家電量販店や市区町村が小型電子機器を回収し、これを国が認定した事業者に集め、適正なリサイクルが促進されるようになったのです。

現在日本では、年間65万トンもの小型家電が使用済み、つまり「ごみ」となっています。そのうち、有用な金属は28万トン、金額にしてなんと844億円。これらの使用済み小型家電は、都市にある鉱山という意味で「都市鉱山」と呼ばれており、「小型家電リサイクル法」施行後は、この貴重な資源がより有効に活用されるようになりました。

「小型家電リサイクル法」対象品目
パソコン本体 ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット他
パソコン周辺機器 パソコンモニター(※テレビは除く)、プリンター、スキャナ、キーボード、外付けドライブ他
通信機器 スマートフォン、携帯電話、電子書籍端末、PHS、電話機・FAX他
カメラ フィルムカメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ他
ゲーム機 ゲーム機(据置型・携帯型)、周辺機器(コントローラー等)他
電子楽器 電子オルガン、電子キーボード、シンセサイザー、サンプラー、ドラムマシーン、ミュージックシーケンサー他
音響機器 オーディオプレーヤー/レコーダー、ステレオ(CD・MD・テープ等)、スピーカー、アンプ、ラジオ、ヘッドホン及びイヤホン、ICレコー ダ、補聴器他
映像機器 プレーヤー/レコーダー(HDD・DVD・BD・ビデオ等)、衛星放送用アンテナ、チューナー他
カーナビ・
カーオーディオ等
カーナビ、カーステレオ(CD・MD・テープ等)、ETC/VICS、周辺機器(チューナー・スピーカー・アンプ等)他
キッチン家電 炊飯器、電子レンジ、ジューサーミキサー、コーヒーメーカー、トースター、ホットプレート、ジャーポット、食器乾燥機、電磁調理器他
生活家電 掃除機、加湿器、除湿機、空気清浄機、扇風機、電動歯ブラシ、電気カミソリ、電気バリカン、電気かみそり洗浄機、ヘアドライヤー、電気アイロン、電気カーペット、家庭用ミシン、電気ストーブ他
その他 各種ケーブル類、リモコン、電動工具、時計、電子辞書、ICレコーダー、電卓、換気扇、懐中電灯他
上記家電の附属品 リモコン、AC アダプタ、ケーブル、プラグ・ジャック、充電器他

この他にもさまざまな製品が小型家電に含まれます。
自治体によって回収する品目が異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村におたずねください。

パソコンの情報漏洩について

回収されたパソコンは筺体内部の部品を分解し、金属やプラスチックなどを摘出します。基板やCPUなどに含まれる金、銀、銅やレアメタルなどを細かく分別し、リサイクルに回します。

パソコンなどの情報通信機器のリサイクルについては、個人情報などのデータ漏洩が懸念されますが、「小型家電リサイクル法」のもとでは、パソコンを回収する家電量販店については国の認定において厳重な情報漏洩対策としてチェックがなされています。また、市区町村については、パソコンなどを回収できるのは情報漏洩対策が取れる地域のみとし、万全の対策が講じられています。

無許可の回収業者にご注意!

無許可業者によって回収された使用済み家電が不法投棄や不適正処理がされた事例が報告されています。これら無許可業者は、「ご家庭の粗大ごみ、なんでも格安で回収いたします/○○○○株式会社/産業廃棄物処理業許可○○号/古物商許可○○号」などと書かれたチラシやサイトで、正規業者のように見せかけて家電を回収しています。

家庭から使用済み家電を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可や委託が必要です。「産業廃棄物処理業」「古物商」の許可では、家庭から出る使用済み家電を回収することはできません。ですので、「一般廃棄物処理業」を持たない業者は何らかの魂胆を持った業者と思っておいたほうがよいでしょう。

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