
ごみを出すときに気になるのが個人情報の漏えいです。郵便物に書かれた住所や氏名、電話番号はもちろんのこと、子どものテスト用紙や成績表、宅配便の送り状、買い物をしたレシートまで悪用される可能性があります。こういった個人情報の漏えいを防ぐ方法について考えてみましょう。
この記事で分かること
家庭ごみから個人情報はもれる!
個人情報には「住所」「氏名」「電話番号」「生年月日」「メールアドレス」「家族構成」「クレジットカードや金融機関の口座番号」など多くのものがあります。
これらが他人の手に渡るとさまざまな場面で悪用される可能性があるため、個人であっても漏えいの防止に努めたいものです。
家庭ごみや古紙回収に封筒や配達の送り状などをそのまま出していませんか?
個人情報が記載されているもの
個人情報が記載されているものは身の回りにこんなにたくさんあります。
- ダイレクトメール
- はがき・封筒
- 公共料金の明細書
- 宅配便の送り状
- クレジットカードの明細書
- 請求書
- 学校で配布されるプリント
- テスト用紙
- USBメモリーやCD、DVDなどの保存データ
- ポイントカード
- レシート
- 薬局からもらった薬の袋
- 病院の領収書や診療明細書
レシートにはポイントカードの会員番号などが記載されていることがあります。また、封筒は宛名シールが貼られたまま古紙回収の中に入れていませんか?
「まさか他人のごみを開けて見ないだろう」と思っていたら、大間違いです。名簿業者などに売って利益を得ようとする人がいるので要注意です。
個人情報が漏えいするとどうなるのか?
個人情報の漏えいで受ける被害としては、次のようなものが考えられます。
急にダイレクトメールが増える | 申し込んだ覚えがないところからやたらとダイレクトメールが増えたという場合は、どこかで個人情報が漏えいしている可能性があります。 |
---|---|
迷惑電話が増える | 無言電話やいたずら電話などが増えます。 |
ストーカー被害に遭う | 自宅の住所や勤め先を知られることでストーカー被害を招く可能性があります。 |
振り込め詐欺の電話がかかってくる | 家族構成や電話番号を知られることで、息子や娘になりすまして家に電話をかけてくることがあります。 |
個人情報の漏えいで実際に起こったトラブル
事例1 多くのダイレクトメールが届いた
自分では資料請求やパンフレット請求などをしないような高齢者の家庭に多くのダイレクトメールやカタログが送ってきたという例があります。たまたま実家を訪れた家族がダイレクトメールの多さに不審に思ったものの、どこで漏れたのかはわかりませんでした。
事例2 息子を名乗る不審な電話がかかってきた
高齢者の家庭に、離れて暮らす息子と名乗る男性から「お金が必要だから振り込んでほしい」と電話がありました。すぐに振り込め詐欺だとわかりましたが、息子の名前と自宅の電話番号をどこかで見たものと思われます。
事例3 デート商法の電話がかかってきた
息子あてに若い女性から電話がかかってきました。息子が代わると「一度、お茶しませんか」とのこと。デート商法だとわかり断りました。
このように個人情報の漏えいは、多くのトラブルを招くことになります。しかも、誰が情報を持ち出したのかがわからないことがほとんどです。これを防ぐには、個人情報を漏らさないことが大切です。
家庭ごみから個人情報の漏えいを防ぐ方法
個人情報の漏えい防止には会社ではシュレッダーを使用しますが、家庭ではどうすればいいでしょうか?
おすすめの方法をご紹介します。
ペンで塗りつぶす
封筒やはがきなどの宛名部分を黒いフェルトペンで塗りつぶしてから、ごみ袋に入れるようにしましょう。ただ、レシートなど細かいものまで塗りつぶすのは大変です。その場合は細かく切り刻むのが一番です。
細断する
個人情報が記載されたものをハサミで細かく切ってからごみ袋に入れて出す方法です。ただし、おおざっぱに切ると住所の一部と名前が同じパーツになってしまうということがあります。
それを避けるために、家庭用のシュレッダーを使うことをおすすめします。家庭用なら5000円前後で打っていますし、カードやCD、DVDも細断できるものは2万円程度で販売しています。こういったものを利用して個人情報がわからないように細かく切ってからごみに出すと安心です。
カード類はハサミを入れる
クレジットカードやポイントカードなどを捨てる場合はハサミで切り込みを入れてからごみに出します。2つに切り分けることもいい方法です。
古紙回収に出すときは要注意
大判の封筒やカタログの注文書などはついそのまま古紙回収の束に入れてしまいがちです。切るのが面倒だからとそのまま出すと、どこで個人情報が漏えいするかわかりません。住所・氏名などが書かれたものは必ず細断する習慣をつけましょう。
家庭のポストも気をつけよう
家庭のポストは簡単に開けられるものがほとんどです。マンションでは鍵をつけているところもありますが、戸建ての場合はポストの開閉が簡単にできるため、郵便物を見られる可能性があります。
戸建ての場合でもポストに鍵をつけたり、ナンバーロック式のポストにしたりといった工夫が必要です。
表札に家族全員の名前を書かない
表札に家族全員の氏名を書いている家庭がありますが、「ここに女の子が住んでいる」と知られるきっかけになります。
どこで悪用されるかわからないので、できれば書かない方が安心です。
ごみ袋の外から見えないようにすることも大切
自治体が指定しているごみ袋は、半透明のものが増えています。ごみを入れるときに袋に近いところに住所や氏名が書かれているものを入れると、袋の外から個人情報が見えてしまいます。
ごみ袋に入れるときは個人情報が書かれたものを黒いビニール袋に入れてから、指定のごみ袋の中の方に押し込んで入れておきましょう。
個人情報は自分で守るのが基本
家庭ごみから漏えいする個人情報は誰も守ってくれません。まさに自己責任です。
シュレッダーやハサミで細断するのが一番安心できる方法です。ある調査ではアンケートに答えた人の約半数が手やハサミで細かく切っているという回答が寄せられました。また、シュレッダーで細断している人は約30%にのぼります。合計すると約80%の人が何らかの方法で個人情報の書類を細かく切ってからごみに出していることがわかります。
個人情報はいつどこで漏れたのかわからないだけに気持ちが悪いものです。少しでも防ぐように工夫しましょう。
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