毎日生活していると当然のことながらごみが出ます。ごみ集積所に持って行けば回収してくれますが、高齢になってきたり、障がいがあったりする場合はごみを出すのもひと苦労です。そんな場合の対策をご紹介します。
家庭から出るごみの重さはどれくらい?
一般家庭から出るごみの量はどれくらいの重さがあるのでしょうか?
環境省の調査によると、1人1日あたりのごみの排出量は令和5年度(2023年度)で851gとなっています。1人暮らしでも1日に約850gのごみを出している計算で、1週間なら約6㎏、4人家族なら1日約3.4㎏・1週間なら約24㎏にもなります。
空き缶や空きびん、不燃物はもっと重い
空き缶や空きびん、不燃物のごみは家庭ごみ(燃えるごみ)よりももっと重量があります。
これらのごみを高齢者や障がいがある方が出しに行くのは、なかなか大変なことだと言えます。
自治体のごみ出し支援サービスの取り組み
自治体の中には、高齢者や障がい者世帯に対して個別にごみ回収を行っているところがあります。ただ、全国的に見るとそういった「ごみ出し援支援サービス」を実施している割合はまだまだ低いのが現状です。
ごみ出し支援サービスの実態は?
国立研究開発法人 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターが「高齢者を対象としたごみ出し支援の取り組みに関するアンケート」を実施。回答が寄せられた1137の自治体の結果は以下のようになっています。
今後、ごみ出しが困難な住民は増える!
「今後、高齢化によりごみ出しが困難な住民が増えると思うか?」という問いに対して、9割の自治体が「そう思う」と答えています。
一方、高齢者を対象とした「ごみ出し支援制度」の導入状況では、支援を実施している自治体は約2割にとどまっています。
ただ、現在は導入していないが、将来は検討したいと答えた自治体は約4割もありました。
ごみ回収支援制度が導入できないのは人や予算の確保が難しいから
現在、自治体としてごみの回収支援制度を設けていない理由には、「人員や予算の確保が難しい」という回答が多く、介護保険制度である程度カバーできるといった回答も寄せられています。
役所の人が回収するのが難しい場合はシルバー人材センターや老人クラブなどに回収を依頼して補助金を出す「コミュニティ支援型」という方法があります。
アンケート調査では支援制度を設けている自治体の9割が「直接支援型」で「コミュニティ支援型」は少数となっていますが、今後は回収方法を考えていく必要がありそうです。
ごみ出し支援サービスと同時に安否確認を行うケースも
ひとり暮らしの高齢者が自宅で亡くなる孤独死が社会問題になっています。
そこで、高齢者のごみ出し支援サービスを行っている自治体では、回収と同時に住民の安否確認を実施しているところがあります。
アンケートの結果、安否確認の声かけの実施対象者は
| すべての利用者に対して | 36% |
|---|---|
| 希望者に対して | 37% |
| 行わない | 27% |
となっています。プライバシー保護の観点から声かけを希望されない方もいるでしょうから、「希望者のみ」としている自治体が多いようです。
なお、声かけを実施している自治体では高齢者の不調やトラブルを発見できたという事例が約4割もあり、早期発見につながっています。
自治体によるごみ出し支援サービスの内容
行政が行っている高齢者や障がい者世帯へのごみ出し支援サービスの内容や対象者は、自治体によってさまざまです。
いくつかの例を見てみましょう。
東京都港区の場合~安否確認を実施
対象者
| 高齢者の場合 | 65歳以上であること 高齢者だけの世帯でごみの排出が困難な場合かつ身近にごみ出しの協力が得られない場合 |
|---|---|
| 障がい者の場合 | 障がい者の方のみの世帯 |
サービス内容
- 無料で週2回回収。
- 申し込みは電話でも可能。申込後、区の職員が自宅を訪問し面談の上、決定。
- ごみが出ていない場合は連絡票を投函。投函後1日経っても連絡が取れない場合は緊急連絡先などに連絡を取り安否確認を行う。
安否確認をしてくれるので、家族が離れて暮らしている場合でも安心です。
千葉市の場合~PTAや老人クラブが回収・市が補助金
千葉市ではごみ出しができない家庭に対して町内の自治会やPTA、老人クラブなどが回収を行い、市が補助金を出しています。
対象者
次の1.~4.のいずれかの方のみで構成される世帯のごみ出し
- 介護保険の要介護認定2~5の方
- 身体障害者手帳1・2級の方
- 精神障害者保健福祉手帳1級の方
- 療育手帳〇AまたはAの方
- その他、市長が特に必要と認める者(身体機能の低下等により実際にごみ出しが困難な者)※
(※)は下記のいずれかに該当すること(町内自治会長または廃棄物適正化推進員若しくは民生委員のいずれかの方の確認署名が必要です。)
- 身体機能(歩行機能や物を持ち上げる機能)の低下・障害により、ごみの運搬が難しい方
- エレベーターがない集合住宅の中高層階に居住する方で、ごみを持ちながら階段を昇降することが難しい方
- ごみステーションまでの距離が遠く、長時間ごみを持ちながら歩行移動が難しい方
- その他(具体的理由を明記したものが必要です。)
サービス内容
- 家庭ごみ(可燃ごみ、不燃ごみ、有害ごみ、資源物)の週1回以上の収集およびごみステーションへのごみ出し。
- 希望世帯への「声かけ」
これらのサービスを行う団体(町内自治会、老人クラブ、PTA、地域団体などの非営利活動団体)に対して
- 事業開始補助金:10,000円(1回のみ)
- 運営費用補助金:1世帯あたり月額1,000円
が補助金として市から支給されます。
調布市の場合~妊娠中や病気・けがの人も対象
調布市では「ふれあい収集」として、高齢者や障がい者以外に妊娠中や病気・けがで一時的にごみ出しができない家庭にもごみ出し支援を行っています。
対象者
- 要介護認定(要介護度1以上)を受けている方
- 身体障害者手帳1・2級、精神障害者保健福祉手帳1・2級の手帳を交付された方
- けがや病気で長期療養中(診断書が必要)の方
- 妊娠中(母子健康手帳の提示が必要)の方
- 要支援の認定(介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成する「意見書」の提出が必要)を受けている方
- 粗大ごみの場合に限り、65歳以上の方だけで構成する世帯
サービス内容
- 粗大ごみはその都度電話で申し込み、家まで回収に来てくれる
- 家庭ごみは週1~2回、家まで来て回収に来てくれる
- 家庭ごみは登録制で、年度が替わると更新手続きをする
自治体のサービスを受けてごみをためないようにしよう
このように多くの自治体で家庭ごみの回収サービスを行っています。自治体によっては粗大ごみを家まで取りに来てくれたり、妊娠中の家庭を対象にしていたりと内容はさまざまですが、事前の申し込みをすれば無料で受けられます。このようなサービスを利用して、ごみをためないようにしましょう。
自治体がごみ出し支援サービスを行っていない場合や、ごみ出し支援サービスの対象になっていない家庭でごみ出しが難しい場合は、地域の民生委員さんや自治会長さんなどに相談するのもいい方法です。ごみステーションの掃除を免除してくれるなど対策を考えてくれます。
ごみをため続けるとやがてごみ屋敷になっていき、さらに処分が困難になります。早めの対策が必要です。また、自治体やご近所にごみ出しの相談をすることで、安否を気にかけてもらえるというメリットもあります。そういった意味でも早めに相談してみましょう。





